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評価:
ポール・オースター,Paul Auster,柴田 元幸
新潮社
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『スモーク』は、本と映画とではオチが若干違うらしいが、どこがどう違うんだろう。
他の作品に比べれば、幾分分かりやすくヒューモアに溢れているけれど、詐欺師みたいな連中が出てくるのはいつもながら。どこまでが本当で、どこまでが嘘なのか分からなくなってくる。小説なんてそもそもが「嘘」なんだから、そんな疑問は意味をなさないはずなのだが。
『ブルー・イン・ザ・フェイス』は、一つ一つのシーンに繋がりがあるようでない断片ばかりだけれど、全体を通してみるとちゃんと繋がっているのが不思議。
オースター作品って、台詞が臭いけれど嫌味じゃないんだよなー。凄いバランスだな。