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森川(記者)

本を売り、本を読む日々。
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散 漫 帖

本と映画と妄言と
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レスラー(ダーレン・アロノフスキー監督/アメリカ)
 かつて名声を欲しいままにした人気プロレスラー、ランディ"ラム"ロビンソン。中年になった今は田舎の小さな試合をドサ回りし、バイトでどうにか食いつないでいる。ある日の試合後、ランディは心臓発作を起こし倒れる。再起は無理だと言われ引退を決心した彼は、馴染みのストリッパーに薦められ、絶縁状態にある娘の元を訪ねる・・・

 これは…何というか…大変ヘヴィーな話だった。
 スターが落ちぶれて〜というパターンは良くあるけれど、この話は筋はありがちなのに一つ一つのエピソードがズッシリくる。さらっと観られない。
 それは、役者陣の渾身の演技によるのだろう。他のレビューでも散々書かれているが、ランディとミッキー・ロークが重なって見える。あの「落ちぶれた感」は演技では出せない。馴染みのストリッパー役の女優も、色気より生きるために必死になって踊る顔が強烈だった。彼女もかつてオスカーを獲ったことがあったのか。そして、ランディの娘を演じる女優もまた、若いながら薄幸さが漂う面差しをしていた。いかにも超低予算っぽい映像処理の仕方が、また妙な現実味を生んでいた。
 似たようなストーリーでルコントの『タンデム』が思い浮かんだけれど、あれは最後に友情が残っていた。でも、ランディには何も残されていなかった。しかも、それは彼の愚かさが招いた結果なのだから救われない。ラストシーン近くでの「俺にとっては、外の世界のほうが(心臓発作の痛みよりも)よっぽど辛い」というセリフが切ない。ああでも、そうであるならあのラストは彼にとって救いのあるものだったのかもしれない。ボロボロではあるけれど、ある意味潔い人生かもなぁ。

 結構本気な流血シーンや、ほぼ全裸のストリップシーンがあるためにR15指定になっているが、精神的にはR40指定でも良いんじゃないかと。正直、理解出来ない部分もあった…というか、この歳で理解出来てしまうのも問題だろう。
Posted by pareidolie21
映画(海外) / 01:58 / comments(0) / -
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