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散 漫 帖本と映画と妄言と
老人と海(ヘミングウェイ/新潮文庫)
2010.02.07 (Sun)
八十日間不漁が続いた老漁師、サンチャゴ。それでもめげずに、一人漁に出たサンチャゴの釣り糸に、巨大なカジキがかかる。しとめる側としとめられる側との死闘の末は…ヘミングウェイ最晩年の作品。
有名な作品ですが、あらすじを全く知らずにいました。老人と少年が一緒に漁をする中で、人生とは…と考えるような話かと思っていたら、老人が一人海で独り言をつぶやきまくっている話だった(笑)。 とても寓話的な内容。人生って、そんなもんだよねぇ…と言ってみたくもなる。そのテの話は数多あるけど、この作品には凄みがあって、それは冷酷なくらい淡々とした文体によるのかもしれない。鮫が襲ってくるシーンの鮫の描写はまるで悪魔を見ているようだ。あらゆる魚を食い散らし、今老人がしとめた巨大な魚を食い散らかさんとする悪魔は、邪悪だが美しくもある。 「老人はあやまたず、そこを打った。血にまみれた手に銛を握って、全力をあげて突きさしたのだ。希望などは微塵もない。あるのはただ決意と、そしてまったき敵意だけだった」(P116) このシーンは戦場で人が人を殺す場面を見ているようで、恐ろしかった。 短いけれど、読み応え十分の作品でした。 余談…老人があまりにつぶやきまくっているので、今流行りのツイッターで『老人と海』を書いたら面白いかなーと思ってしまった(笑)。 COMMENT
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