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評価:
伊坂 幸太郎
文藝春秋
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死期の近い人間の調査を行うために、人間界にやってきた死神と人間達との物語。
連作六編、ミステリー風なのは『チルドレン』と似た感じの作り。読みやすさと魅力的な設定は、人気あるのも分かる。でも、正直なところ格好良すぎて気が引けるんだよな…。好みの問題かもしれないけど。あと、読んでいてオチが推測しやすいのがミステリーとしては物足りない。
一番最後の「死神対老女」が唯一オチが読めず、内容も面白かった。真面目に客引きする死神がいいね、何か間が抜けていて。CDショップの視聴コーナーに集う死神たち(ヴィム・ベンダースの『ベルリン・天使の詩』で図書館に集う天使たちのようだ)とか、音楽にやたら反応する死神とか、そのくだりは読んでいて楽しかった。