Selected Entries
Categories
Archives
Profile
森川(記者)

本を売り、本を読む日々。
詳細

散 漫 帖

本と映画と妄言と
<< 鼻/外套/査察官(ゴーゴリ/光文社古典新訳文庫) | main | 十月に読んだ本 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

Posted by スポンサードリンク
- / / - / -
草の花 (福永武彦/新潮文庫)
 ――(略)人から愛されるということは、生ぬるい日向水に浸っているようなもので、そこには何の孤独もないのだ。強く人を愛することは自分の孤独を賭けることだ。たとえ傷つく恐れがあっても、それが本当の生き方じゃないだろうか。孤独はそういうふうにして鍛えられ成長していくのじゃないだろうかね。(P103)

 サナトリウムの病室で一緒に過ごした汐見は、「私」に二冊のノートを託し、自殺行為に等しい手術の末逝った。残されたノートには、汐見が青年時代に愛した藤木忍、彼の妹である千枝子との実らぬ恋と孤独が記されていた。

 異常なテンションのロシア文学の後に読んだので、物凄く静謐な感じがしました。詩も書いているだけに、言葉の純度が高い…それこそ「音楽のような文学」。
 汐見の愛は、他人を愛すると言いながらも、相手にその愛は届いていなかった。というか、元よりそんなつもりがあったのだろうかと疑ってしまうような、自己完結的な愛に思えた。
 何だか漱石の「こころ」や「行人」を思い出してしまった。考え過ぎると、行動に移せず自滅してしまう。上の引用はこの話の中で一番印象的だった部分。
Posted by pareidolie21
小説(国内) / 12:58 / comments(0) / -
スポンサーサイト
Posted by スポンサードリンク
- / 12:58 / - / -
COMMENT