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散 漫 帖本と映画と妄言と
園芸家12カ月(カレル・チャペック/中公文庫)
2010.05.17 (Mon)
園芸マニアの忙しい一年を、皮肉交じりのユーモアで綴ったエッセイ集。 園芸好きの母親にプレゼントしようと思ったものの、面白いのか分からなかったので下見のつもりで読んだら、自分がハマってしまいました。 天気が悪ければ嘆き、良すぎても嘆き、しょっちゅう土をいじくりまわしては納得せず、花をあちらからこちらへ際限なく移して回る…うちの母親そのままだなー(笑)。私もそんな母親のお尻を眺めて育ったものです…。「園芸家の姿とは、尻である」とは言い得て妙。 チャペック自身が園芸マニアだったかは定かでないそうですが(訳者は園芸マニアのようだけど)、園芸好きな人や周りに園芸好きがいる人なら、あるある〜というエピソード満載です。面倒臭そうだけれど、やっている本人はとても楽しそう。 一見園芸マニアの奇妙な生態について書いているようですが、実は人生を園芸に例えているのかなぁ…とも思ったり。さり気なさがまた上手い。特に印象に残ったのは「11月の園芸家」の最後の文。 「ときどきわたしたちは、水気のなくなった、いろんな過去の思い出につつまれて、すえた匂いをはなっているように思われることがある。わたしたちが現在とよぶ古い作り土のなかに、どんなにたくさんの太った白い芽がぐんぐん伸びているか、どんなにたくさんの種がこっそり芽を吹き、どんなにたくさんの古い挿木苗が、いつかは輝かしい生命に燃える一つの芽となって、生きているか、もしもわたしたちがそれを見ることができたとしたら、秘められた将来の繁栄をわたしたちのなかにながめることができたとしたら、おそらくわたしたちは言うだろう。――おれたちのさびしさや、おれたちのうたがいなんてものは、まったくナンセンスだ。」(P174-175) お好みの本、入荷しました(桜庭一樹/東京創元社)
2010.04.11 (Sun)
桜庭一樹の読書日記、第三弾。 えーと、いつの間にか結婚していて、かなり吃驚しました。失礼ながら、この方は当分結婚とかしなさそうだな…と思っていたので(と、周りの桜庭ファンに言ったら、「そうか?」と不思議がられたけど)。お相手がお笑い芸人というのも最初は意外でしたが、しかし桜庭さんって結構そういうの好きそうだし、というか自身も自作のコスプレしていたりするので、意外でもないかも…。 三冊目になると、読書傾向が何となく分かってくるので、以前ほど「こんな作品が!」という新鮮さはなくなってしまったけれど、相変わらずモリモリ読んでいて羨ましい限りです。 Land Land Land(岡尾美代子/ちくま文庫)
2009.10.17 (Sat)
主に北欧とロシアに旅行した際に見つけた可愛い雑貨や風景についての写真とエッセイを、ABC順に並べた本。 これが、もう、可愛くて悶絶しそうです。どこかノスタルジーを感じさせる写真といい、短いセンテンスのエッセイといい、乙女ならときめくこと間違いなし。この方の写真、好きだなぁ。漂う空気が綺麗。 解説は穂村弘さんですが、「私は眠っている間におじさんの着ぐるみを被せられてしまった女の子なのかもしれない」という一文に爆笑しました。 遠い朝の本たち (須賀敦子/ちくま文庫)
2009.05.05 (Tue)
「何冊かの本が、ひとりの女の子の、すこし大げさにいえば人生の選択を左右することがある。その子は、しかし、そんなことには気づかないで、ただ、吸い込まれるように本を読んでいる。自分をとりかこむ現実に自信がない分だけ、彼女は本にのめりこむ。その子のなかには、本の世界が真夏の雲のように幾層にも重なって湧きあがり、その子自身がほとんど本になってしまう。」(P85「まがり角の本」より)
翻訳者でエッセイストでもあった須賀敦子の、幼少期から青年期にかけての読書にまつわる随筆を集めた本です。 学校に行くのが嫌で仕方がなくて、学校が燃えてしまえばいいのにと願う下りや、読書にのめりこむあまり母親に叱られる下りには共感しきりで、今まで少し縁遠く感じていた須賀さんが、一気に身近に感じられたものです。「本に読まれる」という表現が、あまりにぴったり。私も本に読まれて、しばしば迷子になるような子どもでした。いや、今もですが。 本についてだけでなく、その本を読んでいた当時の周りの風景も詳細に、でも美しい文体で綴られているせいか、どこか物語めいた雰囲気を漂わせながら浮かび上がってきます。 カナカナのかわいいロシアに出会う旅(井岡美保/産業編集センター)
2008.06.29 (Sun)
人気ロシア雑貨屋「カナカナ」のオーナーが案内する、「かわいいロシア」を見つけるためのロシア旅行記。
いわゆる雑貨本スタイルなので、写真を楽しむ感じの本ですが、ロシアへの行き方、旅行する際の注意点なども載っており、ロシア旅行に興味のある人にとっては参考になる内容。 ロシアというと、暗い、重い、政治的に不安定で怖い、というイメージが強いのですが、庶民の生活の端々は乙女要素が満載で、最近ではロシア雑貨特集の本が沢山出ています。 何と言うか、「オシャレっぽさ、コギレイさ」を狙っていないところがいいなぁ。ちょっと垢抜けないのが可愛いというか、落ち着きます。あと、ロシアの修道院の可愛さは悶絶モノです。 そんなロシアも、急速な経済発展に伴って昔からの風景や生活スタイルがなくなりつつあるそうです。勿体無いなぁ。 シモネッタのデカメロン―イタリア的恋愛のススメ(田丸公美子/文春文庫 た 56-2)
2008.02.29 (Fri)
主に、「イタリアの男はとにかく女好き」について、実例を並べて書いています。 いやー、イタリア男が恋にかけるエネルギーはホントに凄い。「女にもてる最大の秘訣はまめであること」という言葉通り、とにかくまめです。まめというか、あらゆる出会いのチャンスを逃さない行動力というか…。 デカメロン、なだけに下ネタも満載ですが、何かあっけらかんとしているのでエロさはないです。隠されたところにエロさを感じるのは、日本人だからでしょうか(笑)。それにしても、実例が全部本当というのがまた凄いよ。 まぁ、しかし、この国の人たちは人生楽しんでるよなぁ…と思います。 京都のこころA to Z―舞妓さんから喫茶店まで(木村衣有子/ポプラ社)
2008.02.24 (Sun)
(まんま過ぎる紹介だな…) 上にも書いたように、京都のガイドブックというよりも、「京都のここが『京都』って感じだと思う」ということを書いたエッセイ集みたいな内容です。でも、文系オトメにとっては、こういう本の方が旅行の参考になるかもしれない。写真が綺麗。 恵文社って、新刊の本屋さんだったのか。…というのは、以前古本カフェで貰った栞に恵文社のことが載っていたのですが、古本市のお知らせだったので、てっきり神社かと思っていたのです。でも、こういう本屋はいかにも京都って感じがするなぁ。こういう店で働きたい…。 チェコへ行こう! 絵本と雑貨とちいさな街めぐり(すげさわ かよ/河出書房新社)
2008.02.21 (Thu)
チェコというと、カフカが暮した国という認識があるせいか、何か知らないけれどどこか不気味なイメージがあるのですが、実際のチェコは可愛い絵本や雑貨で有名らしいです。建物も可愛い…不条理文学愛好者よりは、乙女向きの街らしい。 全編カラーイラストで旅程が紹介されているので、まるで絵本のようです。ただ、欲を言えば、もう少し写真も載せて欲しかったな。チェコゆかりの絵本作家について色々紹介されているので、興味のある人には参考になるかと思います。カレル・チャペックの兄ちゃんが絵本作家だったのは知らなかったなぁ。 |